2月だけどそれなりに暖かかった日の学校の帰り。


普段ウチは、最寄り駅から家までは歩いて帰っている。

でもその日は歩いて帰れるような気分じゃなかった。


学校の友達はみんなバレンタインの話しかしない。

その話の輪に入ってると絶対

「りんは男子にチョコあげへんの?」

って訊かれる。


その子達はみんな、

ウチを普通にお喋りの相手と考えて

話を振ってくれてるだけなのにウチはすごく落ち込む。


「え~w ウチあげる相手とかおらんし~w

まぁ友チョコだけかなー。」

って、無理に作った笑顔で答えた。


そういう状態が何時間も続くから

ウチは耐えられんくなった。

そして最寄り駅の公衆電話から、

お母さんに電話した。


「お母さん、りんやけど。駅まで迎えに来て~」

「えーなんでー?」

「・・・寒いから~」

「えーわかったー」


ホントは全然寒くない。

でもお母さんに心配をかけたくなかった。