新しい教室に絶対入りたくなかったウチは、

始業ギリギリまでミユと一緒にいた。


ミユの教室にずっといた。

ミユとしか話さなかったし、

ミユのことしか見なかった。

見たら悲しくなるから

岡森のことは見ないようにした。


最後の最後まで教室には入らなかった。


チャイムが鳴って仕方なく教室に入っても

ウチはずっとのんちゃんと喋ってた。

のんちゃんとは席が前後だったから、

それだけが心の支えだった。


新しいクラスの「お友達」とは

喋ろうとしなかった。

面倒だって思った。

毎日泣きそうだった。

はっきりとした記憶が残らないまま

1学期も終わりに近づいた。