「何だ,そいつ。サイテーじゃん。夏希はそんな奴と付き合ってたのかぁ!?」
あたしの話しを聞きおわった市橋君は声を少し上げて言う。
「う,うん。だって浮気してるとかそんなの知らなかったんだもん…」
・・・。ぇ!?なんで沈黙ぅ?!えっ!?あたしなんかまずい事言っちゃった!?

なんて思ってたら市橋君が
「…ぉ…だったら…気…しない…」
何言ってるの!?市橋君!?聞こえません!ボソボソ喋らないでぇ!
「えと,市橋君の言ってる事聞こえません!」
って言うと市橋君は
「だからッ! 俺だったら浮気しない!って言ったの!」

そう言い終えた市橋君の顔はみるみる真っ赤に染まってく。



塾が終わって家に帰る途中,誰からか電話が来た。

「ハイ?誰ですか?」
そう言うとちょっと間を開けてあの聞き覚えのある声が来た。
〔夏希? 俺,市橋 翔。〕
「市橋君!?どうしたの?」
〔いぁ…ただたんに夏希話しながら帰りたいなって思って〕
「あたし帰り道一人だもん。市橋君と話しながら帰れるなんてラッキーだし!」
本当にあたしは帰り道一人で暇だから話し相手ができて良かったのだ。
〔マジすか!?じゃぁ話そ!〕
マジすか!?って…(笑
「うん!ねねー!市橋君あの事知ってるー?」
〔あぁ,あれか。◯×小の奴だろ?〕
「うんうん!でねー・・・」

ーー話してる間に家に着いちゃった!
「あのさ,もうすぐ家着くから…」
〔ぁぁ,切っていいよ。ごめん。俺のワガママに付き合わせちゃって…」
「ワっ!ワガママなんかじゃない!あたしだって市橋君と話しながら帰れて嬉しかったもん!」
〔…ありがと…じゃな。 ープチッ。ツーツーツーー〕

どうしよぉ…
彼氏と別れたばっかなのに市橋君が気になるよぉ…