「どうしたの…?」


そう言い終わらないうちに、
りっちゃんの腕に包まれる。

どうしよう…

えっと…。

どきどきして…。


「…柚希、耳が超つめてぇ…w」


ドキドキする。

なのに、

ちょっと安心する
りっちゃんの暖かさ。

それに、

気付いちゃった。

実はりっちゃんも
ドキドキしてることに。

私のが少し速いかな?なんて。


「…柚希」


名前よばれて顔を上げると、

ふいに塞がれる唇。




ほんの数秒の出来事。

それなのに、
あたたかい感触がまだ残ってる。

さっきまで寒かったのに、
今は顔が熱くて仕方ない。


「…さて、帰るか」


何事もなかったように
歩きだした道重くん。

でも、

その手はさっきよりも強く握られて
二人の距離は確かに近づいてる…。