優しくされればされるほど

心が痛む。

私でいいのかな?って。


道重くんが好きで、

好きな人に好きって
言ってもらえて、

幸せだったはずなのに。


「はい、手」


差しだされた手。

その手を握れば、
握り返して、
そっと引いてくれる。




…なんでこんなに苦しいの?




「そういえばさぁ…」


ゆっくり歩きながら話す。


「柚希、
 なんか欲しいものある?」

「えー?なに?」

「誕生日、と、クリスマス」

「あれ?誕生日…知ってたの?」

「冬至のゆず湯の柚希って
 言ってたじゃんw」

「そんな話したっけー?」


欲しいもの。

…うーん?

欲しいものねぇ。

しばらく考えてみる。

と、

繋いでた手が後ろに引かれる。

道重くんが立ち止まったせい。