走り出したバス。






ふと後ろを振り返る。


道重くんが

じっと立って

バスを見送ってる。


やっぱり…

気持ちに

ウソはつけない!


「すみません!
 降りますっ!!」


次の停車駅で降りて
また反対方向へ
思わず走り出した。

そのままの位置で動かずに
突っ立っていた道重くん。

私の姿を見たとたんに叫ぶ。


「ばかっ!!
 なに走ってんだよ!?」


そんな道重くんのセリフは
聞こえないくらいに必死だった。


「…あのっ!!」


息があがる。

でも、

そんなことよりも

道重くんに伝えたい。

その一心で。


「…たしもっ、私も好き…っ

 道重くんのこと、

 好きになってた…!」