私は…?


「とりあえず気持ちだけ
 伝えたかったんだ。
 ごめんな、引きとめて…」

「…ううん」


停留所にバスが停まる。


私の気持ちは…

心に留めておいた。

なぜか、

好きって言葉が

出てこなかった。



バスのステップを上ると
勢いよくドアが閉まった。

そして、すぐに走り出す。



正直言うと、

その時の私には

道重くんの言葉が

信じられなかったんだ。



右手に握ったメモ。

道重くんのアドレスが。



…どうしよう…。