「自分のこともあるけど、
 海斗のことの方が
 大きい気がする。

 自分も医者になって
 海斗と同じような病気の人を
 治したいって
 ずっと思ってきたんだ」


あの時、

あの場所で、

同じ時間を共有した道重くん。


私にとっては

絶望にしかならなかった

海斗の死は、

『りっちゃん』にとっては

悲しみだけじゃなく

未来の夢につながっていた。


そう思ったら

少しだけ

心が軽くなった気がする。



「明日葉には
 『そんなに簡単じゃない』
 って怒られるかもしれないけど…」


そう言って
苦笑いする道重くん。

だけど、

思わず私の口から出た言葉は…



「ありがとう」



海斗を代弁して。

私の仲間を代表して。