少しずつ思い出した

『りっちゃん』の記憶。


よく飛ぶ紙飛行機の折り方を

やさしく教えてくれたのは

『りっちゃん』

だったかもしれない。



「海斗のこと、覚えてるか?」


海斗。

あまり思い出したくない。

でも、時々思い出す。


「…おぼえてるよ」





私と同じ病気。

そして、

ある日突然

この世からいなくなった。



いつもいたベッドが

空っぽになっていて、

ママに聞いてみたけれど

教えてくれなかった。





だから気づいてしまった。





私も、

明日死ぬかもしれないんだ。