「え…あれ?
 カバン…」


急に手元が軽くなって
道重くんの右手には
私のカバン。


「持つよ」

「いやいやっ!
 大丈夫だよ!
 これくらい平気だからっ!」

「いいから貸しなって」


…悪いなぁ;

でも正直助かる。

階段とか

今でもちょっと

息あがるし。


「あの…ありがとう」

「ん」


笑うでもなく、

怒るでもなく、

普通の表情で

そういうことしちゃうんだ。

やさしいなぁ。

ちょっとキュンって

なっちゃったよ。

ますます

道重くんのこと

気になっちゃうじゃん…。