heart to heart ふたりのキセキ

【side 律】

…あれから
十数年が経った。

オレは相変わらず
心臓外科でやってるし、

相変わらずの凝り性で、

相変わらずの不器用さで、

それでも毎日を生きている。


「先生おかえりなさい。
 どうでした?
 ボストンの学会は」


ナースステーションで
看護師さんから
声をかけられた。


「どうだろう…
 メシがまずかった」

「そうじゃなくってー;
 あ、そういえば先生。

 来週の学会ライブデモは
 道重先生が執刀
 されるんですよね?」

「そうだけど。なんで?」

「…道重先生も偉く
 なっちゃったなぁってw
 第2助手やってたのが
 昨日のことみたい」

「正直、別に
 第2助手でも
 いいんだけどね…」

「またまたぁーっ」


仕事はそこそこ
キャリア積んで、
今じゃあ執刀医。

それなりに
満足のいく仕事は
できてると思う。

“たくさんの人を
 病気から救いたい”
っていう夢は、
ほとんど叶ってる。