夕方、
面会に来たママを
病院玄関まで送ったあと。

部屋に戻ると律がいた。


「あれ?休憩?」

「ん、指導医の先生が
 出張だから…」


熱心にマカロニを
縫ってつなげていた;


「なにやってんの?」

「澤田先生からの課題…」


細ぉーい糸と針で、
ピンセットを使いながら
縫いつなげる。

たぶん、
お昼ごはんの残り?

少し干からびかけの
マカロニサラダを
真剣に縫う様子が可笑しい。


「…っだー!
 糸切れた!!」


律もキレました…;


「こういうの、
 イザキ(同期)が
 上手いんだよなぁ…」


ブツブツ言いながらも再開。


「…りっちゃん、
 エライね」

「んー?」

「偉い偉い。
 将来は神の手を持つ
 スーパードクターだね」


しばらく沈黙。


「…ちゃんと見届けないと
 承知しねーからな」


って。

何年後のハナシだろ?
10年先?
20年先?


「…ぃよっし!
 もういっちょ!」


できるならずっと、
そばにいたいよ。