手術の日が
1週間後に決まった。

先生たちは
準備とか勉強会とか
忙しそうだけど、

当の本人(私)は
いたって変わらず。


「今は体調を整えるのが
柚希ちゃんの仕事だからね」


って、吉岡先生。

うちの両親は、
完全には納得してない。

でも、私の性格を知ってて
“言い出したら聞かないから”
って諦めてるみたい。



手術が近づいてる。

だからといって、
そんなに緊張感はない。

なんでだろう?

心のどこかで
『なるようになる!』
とか思ってるからかな?



いつものように、律は
夜中に仕事を終えて
私の部屋にやってくる。


「まだ起きてんの?」

「うーん…
 お昼寝しちゃったから」

「仕方ねぇなー」


律は呆れたように笑う。


「…ねぇ、律?」

「んー?」

「心配かけてばっかで
 ごめんね?」

「…ばーか」


こうやって律と話す時間が、
すごく貴重に思える。

もし、

もしものことがあったら…
律はこの時間のことを
また思い出すのかな?