急に体が重くなる。

全身が痛い。

苦しい。



『柚希?わかるか?』



律の声。

わかるけど…

体がうごかない。

瞼が重くて、

眠くて…。



あ…

律の手だ。

あったかい。



「柚希…っ」


ぼんやりと白い視界に

律の輪郭がうつる。


声でない。


それでも

体の痛みに耐えながら

必死に律の手を

握り返す。


まだ

もう少し

1分1秒でも長く

律と過ごしたいから。




私、

ちゃんと

帰ってきたよ。