翌日、いつもの律。

だから、私も普通に
…してるつもり。

あんな風に身体触られて、
あんな風にキスされたのは
初めてで戸惑う。


ぐるぐる悩みながらも
日々は過ぎていく。


バイトも少しずつ慣れてきた。

医療事務もちゃんと勉強してる。

律は大学の勉強が
本格的になってきたらしい。


「哲学とか意味わかんないよ。
 講師がまず変人だし。
 つまんねーのなんのって。」


愚痴を言いながらも
大学生活って楽しそう。

今までほぼ同じ世界で生きてたのに、
急に違う世界みたいで…

ちょっと寂しい。


「ねぇねぇ、待って。
 ちょっとカフェ寄ってこうよー」


甘えてみる。


「だめ。」


バッサリ。

最近ハマったコーヒー。

これまでの人生、
飲んでこなかったのが悔やまれる。


「柚希…さっき缶コーヒー
 飲んでたじゃん。
 水分制限あるんじゃないの?」

「さっきのは律が半分以上
 飲んじゃったんだよー?」

「だーめだっつの。帰るよ。」


名前通り。

律する人です…。