月曜日の朝。

SHRのあと
岡っちをつかまえた。

「岡野先生、
 調査票書きました」

「おーおー、
 県立?北見?」

自信を持って
調査票を突きつけた。

それを見た岡っち、
拍子抜けした顔。

「え?就職!?」

「はい!」

「どうして!?」

「私、早く独立したいんです」

「独立!?」

進学率が下がるから
就職は勧めないのが
この学校の方針。

でも気にしない!

私の人生だもん。

今までずーっと
人に支えられてばっかりで
生きてきたから、

高校を出たら
ちゃんと一人前になる!

それが私の目標。

今のところは特に
勉強したい分野もない。

だから、決めた。

何の目的もないまま
フラフラと生きるのは
時間がもったいないよ。

「資格をとって、
 ちゃんとお給料もらって
 バリバリ働く大人に
 なりたいんです!」

岡っちは
何の迷いもない私を見て
苦笑いした。

人より短い人生なら、
少し駆け足でもいいじゃない?

数年先を想いながら
1時限目のチャイムを聞いた。