7月中旬。
大阪のド真ん中で立ちすくむと、
生ぬるい風を求め、
手をあおぐ
反対の手に持っていた地図を見ながら
あたしは大きなため息をついた。
…何がどうして
こうなったんだろう。
地図に超カンタンに
書かれている学校までの行き方。
カンタンすぎて全然分からない。
…そう。
いわゆる迷子になっていたりする
神堂 歌子 17才。
たくさんの人が交差点で行き来する中、
あたしは適当に道を進んでいた。
地図に書かれてある目印の建て物も
周りにたくさんのビルが建っているから全然分からない
そんなあたしを
あざ笑うかのように
熱い日差しが襲いかかってくる。
うぅー…暑いよー
眠いよー
迷ったよー
あたしは心の中で
母親を少し憎んだ。
そもそも、こうなったのは無責任な家族のせいだった。