「本当の事?」
俺が、佑に聞き返すと
「多分、
足が滑って
落ちたんじゃないと
思う。」
そう 俺に伝えてから
柚夏の顔を見て、
「俺、柚夏が
階段から落ちる瞬間、
見てた。
階段の下の廊下を
歩いてた時、
お前が
バランス崩して…
下から受け止めようと
したんだけど
間に合わなかった。
あれ、
あきらかに
滑った訳じゃ
ないよな?」
真剣に聞く、佑。
『……。』
黙って下を向く柚夏。
「柚夏?
兄さん達に
嘘ついて、
どうすんだ?」
やっぱり
真剣な眼差しだが
さっきより
優しい口調で
柚夏に尋ねる 佑。

