次の日。
「柚夏、起きろ。
検温の 時間。」
もう 朝の10時過ぎ。
やっぱり
体力、落ちてるな。
右手は
全く動かなくなった。
歩くのも、
ずいぶん遅いし、
喋り方も
上手く 呂律が
回らなくなっている。
筋肉の衰えから
生じる、体力低下。
何やっても
怠い感覚だろう。
学校のある日は
無理矢理、
体を動かしているのだ
と 思う。
「柚夏。」
もう一度、
声を かける。
『…優樹にぃ…
おはよ』
眠そうに
目を擦りながら
起きる、柚夏。
「おはよ。
体温、計って。」
体温計を手渡す。
『はーい』
「朝飯、食うっしょ?
とっといて
もらったから」
『病院食、まずいから
嫌ーい。』
「わがまま 言うな!
持って来っから
まってろ。」
病室を出て、
朝飯を廊下にある
ワゴンに取りに行く。