屋上へ 出ると、 雨足は強く 一瞬でびしょ濡れに なる。 使い物にならない 右手。 こんな手、 いらない。 生きてる意味なんて ない。 左手は まだ 動く。 なら、 動かなくなる前に…。 左手で剃刀を 持ち、 ゆっくりと 動かない右手の 動脈に近づける。 『お母さん、お父さん。 もうすぐ、 傍に行けるよ?』 左手に力を込める。 ばいばい。