「柚夏!?」
声をあげながら
走り寄ると
ゆっくり、
顔をあげる柚夏。


『優…樹…ッ…にぃ…』

雨でもともと
濡れていて
よく分からないが
明らかに
泣いている。


「どした!?」

ただ
俺を泣きながら
見つめる。


「柚夏?
どした?」


片手で傘を持ち
屈んで
柚夏と目線を
合わせて
もう一度 聞くと


『…ッ…フェ…ック…ヒック…
壊れ…ちゃった…ッ…』

「壊れた?」

意味が分からなくて
聞き返すと
小さく頷いてから、