「何故そこまで実験を進めたいのだ?」





学者は席に着き問うた。






「………そんな理由一つしかないだろう。続行理由はあなたが先程言ったように、今日が地球に生命体が送られてから一年が経った日だからだ。……理由はそれだ。」






「………なるほど。あなたが言いたいのは、今日この地球に生命体が送られる。このチャンスを逃さないと言う事か。……なら尚更その兵とやらが完成していなければならないのではないか?」







少しの間が生じた。







「…………第一あなたの言っている事自体間違いだらけだ!さっき私が言ったように実験は先送りだ。何故なら生命体が送られて来るこの日にわざわざロケットを打ち上げる必要はない。そんな事より昨年同様に生命体に備えた方が良いと思う。あなたが言う兵とやらの開発に直ちに取り込んでもらおうか!」







「……わかった。実験は延期にしよう。」







研究員は部屋から出ていった。