討論会議室に戻って来た学者と牧林は、その場に即席のベッドを作り、慶縞をそこの上にのせた。









「…!何があったんですか、慶縞に。」









立木は慶縞の周りに集まった研修生等の間を通ってその場に立って言った。









牧林は依然として魂が抜けたかの様な顔をしていた。学者《八代》は未だ慶縞の倒れた原因を考えていた。









立木は学者と牧林の手に資料がない事に気付いたが、何も言わなかった。恐らく慶縞の一件があったから資料どころでは無かったと思ったのだろうが、立木達は隕石落下が本当の理由とはまだ気付いていない。









何故なら、討論会議室には窓が無く扉にも特殊なゴム製の音を遮断するものが取り付けられているからである。








それに関しては学者や牧林も理解していたが、慶縞が倒れて隕石落下の事が頭から離れたのかもしれない。……だが、学者が立木にこう言った。









「立木、……先程ここに隕石が落下した。だが今のところ被害報告は受けていない。」









立木とその周りの関係者達は驚きを隠せなかった。









「……!やはり来ましたか、《未知生物ブラッド》は。」









今日はまだ十数時間残っている。その間に奴等は地球にやって来る……、人々に昨年同様に恐怖を与えながら。