愛結はあたしの前の席の奴の椅子を引いてそこに座った。
赤色のカラコンがはっきりと見えるくらいの至近距離。
ブラウンのパーマがかかった髪がふわふわ揺れている。
「あたしも愛結みたいにパーマあてたーい!」
「あんたみたいなボブは無理よ
詩織はそれが一番」
頭をポンポンと叩いてフォローしてくれた愛結。
愛結は大人っぽいのに対してあたしは童顔で子供っぽい。
身長だって低いし、いまだに中学生に間違われる事だってある。
「あぁ―、愛結みたいに大人っぽくなりたい―」
「私は詩織みたいなかわいい顔がうらやましいよ」
「可愛くないの、童顔なだけ」
そう、あたしは決して可愛くない。