それでも男は離そうとしない。


そればかりかだんだん力が強くなってきてる。



「離せって言ってんのが聞こえねぇのかよ!」



だから、腕を掴まれていない左手でソイツの顔面を殴ろうとした。

だけど、それさえも捕まえられる。


コイツ何者だ?



「そんな事しても無駄だよ~ん」




はぁ?!


何が『そんな事しても無駄だよ~ん』だっ!!!


人をおちょくってるわけ。



まぢムカついてきた、イライラしてきた。




もう、知らん。


あたしは悪くないから、文句言うなよ。


あたしはソイツの大事なところを蹴ってやった。

掴んでた腕も離してくれた。


男は変な叫び声をあげていた。



かわいそうに。


ま、そんなことより逃げよ。