一人で帰るんじゃなかった。
真央は後悔した。
目の前には高校生らしき男子が三人。いやらしい、下品な笑み。
前にも一度、こんなことがあった。
そのときのことははっきりとは覚えていないが、目の前の男達には見覚えがある。
襲われる―――。
真央は反射的に走り出した。
「待ちなよ、真央ちゃん」
にやにやと笑いながら男達が追いかけてくる。
真央は必死で逃げていた。
しかし。
行き止まりだ。
息を切らして立ち往生する。
後ろを振り向くと、男達がすぐそこまで来ていた。
「なんで逃げるんですかー?」
じりじりと、男達が迫る。
助けて―――、
「真央!」
男のうめき声と、渉の声が重なった。
目を開けると、渉が男達相手に殴り合っている。
一人の男は気絶してるようだ。
「真央、逃げるぞ!」
全員倒し終わった渉が真央の手を引く。
そのまま、渉と真央は走っていた。
