「真央…」 渉が来ていた。 走ってきたのか、息を切らしながら真央を見つめる。 真央は目を合わせられなかった。 「何の用?あなたが来る場所じゃなくってよ」 さつきが挑発的な態度を取る。 それでも渉は動じず、ただ黙って立っていた。 「真央に、話があるんだ」 真っすぐな目が真央を見た。 瞬間、真央は小さく身震いした。 なんて真っすぐな目…。 真央は小さく頷いていた。 「話、聞くから」 さつきの反対を押し切って、真央は渉と目を合わせた。