隣の狼にご注意を♥




もうダメだと思い、
あこちゃんに助けて!
と目で合図しても、頑張って!
と口パクで返ってくるだけで、
助けてくれない。









もうダメだ…っと思っているとき、
手を差し伸べられてきた。










――……誰?









一瞬考えてしまったけど、
そんな迷いはすぐに消えた。









だってこの手は…。







顔を見なくてもわかったけど、
確認するように上を見上げる。












「何やってんだよ。
 大丈夫か? ほら」










ほらやっぱり、慧吾だった。








「うん…。ありがとう」









慧吾の手をとって、
ゆっくりと立ち上がる。












きっと、今しかない。

あこちゃんの方を見ると、
行けっいうGOサインが出ている。