あこちゃんに相談もしたけど、
あこちゃんはニヤッと笑っただけで、
何も教えてくれなかった。
言ってくれたのは、
「しい、自分で気がつかなきゃ
意味ないよ。きっと」
ってことだけで…。
あたしにはさっぱり意味が
わからない一言でして…。
「おい、慧吾ー。起きろ―」
そして、竜崎先生は持ってきた
本の角をゴチッと慧吾の頭に
直撃させる。
うわっ! 痛そ――。
まあ、寝てる慧吾が悪いんだけど。
「痛って!!
その本でかすぎんだよっ。
生徒にそんなことしていいのか!?」
角があたった後頭部を押さえ、
立ち上がって反撃する慧吾。
最近新たにわかったんだけど、
慧吾って頭いいのに、
時々ハル以上にバカなときあるのよね。
「話聞かないお前が悪いの。
課外合宿だぞ?
お前もそれで彼女つくれっ!」
「はぁ? 何言ってんだよ、はーやん」
「はーやんだとぉ!?
隼人先生、だろぉ!!」
――パコ―ン。

