―――キ-ンコーンカーンコーン…。








「はーい。席ついてー!
 今日のホームルームは、
 課外授業について話すんぞっ――」








大量のプリントを抱え、
足でドアを開けて入ってくる、
竜崎先生。









「課外授業?」







なんだ? それ。





頭に?マークが浮かんでいるのは
あたしだけのようで、
他の女子や男子は「やったー!」
だの「よっしゃー!」だの言って、
盛り上がってる…。








みんな何かしらリアクションを
とっている中、全く興味がない
男が1人…。







あたしの隣で爆睡中の狼。








川崎くんから慧吾に変わった
あの日から、この前よりも
心を開いてくれたんじゃないかな
って思う日々を送っている。











慧吾は、あたしのことを唯一
「椎菜」と呼ぶ。








小さなことだけど、
それが意外と嬉しかったりするもので…。









あこちゃんにすっごい問い詰められたけどね。






そして、あたしだけじゃなく、
他の女子と普通に話しているのも
時々見かけたりもする。








それを見ると、なんだか不思議な気持ち
になって、ちょっと嫌だななんて
思ったりもする…。









その気持ちに、あたしは毎日のように
悩まされているんだよね。








だって、好きでもないのに
こんな気持ちおかしいでしょ?