「あたし高校デビューで
この学校に誰も知り合い
いないんだよねっ」
「えっ…? あなたも?」
あたし以外にも高校デビューの
人がいたなんて…。
しかもこんな美人さんがっ?!
「それじゃあ、あなたも?」
「…うんっ。
あたし、黒川椎菜」
「椎菜かぁ…。
じゃあ、しいって呼ぶねっ!」
…しいかぁ。
ニックネームつけられたのなんて
初めてで、なんかむずがゆい感じ……。
「うんっ! よろしくね。
あこちゃん」
「亜子でいいのに。
まぁいいやっ!
よろしくね。しいっ!」
そうやって話している
自分たちがおかしくて、
あこちゃんとふたりで笑った。
笑っていると、
「自分たちの教室に移動
するように」という
放送がかかり、まだ少し
笑いながらも、教室へと向かった。

