彼女は、下を向いてしまった。
あたしと同じクラスじゃ
嫌だったとか?!
どうしようっ!
「…よかった」
「――…えっ?」
今、なんて言ったの?
「よかった―――っ!!」
「うわっ!」
さっきまで下を向いていたのに、
今度はいきなりギュッと
抱きしめられて、軽いパニック状態。
「あたし、斎藤亜子っ!
亜子って呼んでっ!」
そう言って、あたしの両手を握り、
ぶんぶんと何回も上下に振る…。
「…はぁ」
急展開すぎて、あたしのバカな
頭がついていかない…。
…ギャップありすぎでしょ。
すっごいおしとやかな人かと
思ってたのに、超パワフル……。

