もうっ! みんなのせいで遅刻ギリギリかも。 校門についたときには、 膝に手をついてしまうほどの息切れ。 「ハァ、ハァ…。 こんなに体力ないとは…。 時々走んないとダメだな」 まだ少し息切れをしながら、 クラス発表は張り出されている 掲示板へと向かった。 ――…黒川…、黒川……。 あった! 黒川椎菜っ! 1年3組か……。 あたし、高校デビューだから 知り合いいないんだよね……。 ちゃんと友達できるかなぁ。 掲示板を見ながら、そんなことを 思っていると、ふっとかすかに 甘いにおいがした。