うそぉっ……。
あこちゃんと隣がよかったのにぃ…。
「別に大丈夫よ。
どうせ同じ寮にいるんだから。
いつでも会えるわよ」
「…そうだけどっ。
あたし、あこちゃんしか友達
いないんだよ?」
そうだよ…。
あたしにはあこちゃんしかいないのに。
部屋が離れるだけなのに、
なぜかとても悲しい気分になる。
「そんなのあたしも同じよ。
しいしか友達いないし。
だから、しいはしいでたくさん
友達作りなさいよ。
お隣の人とは仲良くね」
「うん。じゃあね、あこちゃん」
あこちゃんとの別れを惜しみながらも、
反対方向の部屋が続く廊下へと
足を進める。
――…っていうか…。
この廊下広っ!!
いつになったら102号室につくのよっ!!
さっきから進んでも進んでも
全然つかないんですけどっ。
それもそのはず。だって……。
一つの部屋が広すぎるんだもんっ!

