――時が過ぎるのは早いもので、
アッという間に課外合宿の朝……。







あこちゃんに変なこと
言われてからというもの、
妙に慧吾を意識しちゃう自分がいて、
どう接していいのかわからない。








そして、微妙な感じのまま、
課外合宿は始まってしまった。







「じゃあ、順番にバス乗って――。
 到着したら、課外合宿で一緒に
 授業を受ける正式なメンバーを
 発表するからな――」








少しやる気のない先生の声で、
生徒たちがバスに乗り込む。








あたしのバスの隣の席はあこちゃん。







あたしたちの後の席に、
慧吾やハル達が座っている。








移動中のバスの中は、遠足にでも
行くような盛り上がりで、
みんなが小学生のように見えた。










な――んて言ってるあたしが、
他のみんなから「小学生かっ!」
というツッコミを入れられたのは、
言うまでもない。











そして、課外合宿中に泊まる
旅館に到着した。










「でっか―――いっ!!」










おんぼろ旅館を想像していた
あたしは、あまりの立派さに
開いた口がふさがらない。