「あ、あのさ…。
もう誰と組むか、決まった?」
「あ? いや、まだ。
女子が言いあってる」
「じゃあ、あたしたちと組まない?
ほ、ほら!
あたし、仲良い男子って4人しか
いないし…それに」
「いいけど?」
「…え?」
「だから、組んでもいいって。
なぁハル、良いよな?」
「もっちろん!
しいと組むなら大歓迎っ!」
女子の中からひょこっと顔を出し、
OKサインを指でつくって、にかっと笑う。
…でも、女子からの鋭い殺気に、
ハルの方を見れない。
あこちゃんの方を見ると、
いつの間にか男子に囲まれていて、
背が高めのあこちゃんでも
埋もれて見えない。
「あこちゃ――ん……!!」
背の小さいあたしは、
叫ぶだけで、助けられない。
…どうしよう。
すると慧吾が黒い団体に近づき、
あこちゃんをグイッと引っ張りだす。

