「うっわ! 最悪っ!」 あたしより先にあこちゃんが 大きな声を上げた。 ―――……? どうしたんだろう? 「どうしたの…?」 「あたし2列目の1番前……」 あこちゃんがショボーンと 肩を落とした。 あはは……。 そりゃ最悪だ……。 「しいは?」 あ! あたしの席まだ見てなかった。 「え――っとね……。 あっ、あった! 1列目の一番前だっ!」 「え―――っ?! いいなぁ。交換しない?」 「え~、嫌だよ。1番前なんて」 「だよね~。我慢するかっ!」