「椎菜! 遅刻するわよ―っ!」









「は――いっ!」









今日から高校生のあたし、
黒川椎菜16歳。





高校デビューのあたしにとって、
今日は一番大事な日っ!






念入りにメイクや髪形を確認
していると、階段の下から
お母さんの声が響いた。










自分でも、もうそろそろ
家を出ないといけないと思い、
最後に全身鏡で再度確認して、
階段をパタパタと下りた。













「あんたっ!
 何なの?! その姿はっ!」













気合い十分で現れたあたしに、
お母さんは目を丸くして驚いていた。