低い声。暗い声

年が明けても、学校に智哉の姿は無い。


「・・・。」


『頼む。
一度だけだから』


「無理だよ。
私・・・本気で好きになっちゃったんだもん」


『知ってるか?
お前のお母さんとあいつのお父さん・・・
昔恋人同士だったらしいぞ』


・・・?

何の話をしてるの?


『俺の叔父さんがお前の母さん・・・円子とあいつの父親・・・冬芽の知り合いでな・・・昔恋人同士だったんだと・・・反対されて・・・別れたらしいけどな』


冬芽さん?


嘘。


お母さんと冬芽さんがそんな関係?


「冗談でしょ!?」


『冗談言うと思うか?
お前らは計画されてるものだよ。
光芽だって・・・自分の会社にするためなんじゃないの?』