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自分のこれからについて考え出すと、仕事にも身が入らなくなる。
さっき朝礼したばかりなのに早く昼休みが来ないか・・と時計ばかりを気にしていたりする。
「安達・・?」
隣の席から田中君がそんなあたしを見てか、不思議そうに声を掛けて来た。
「うん?なに?」
「さっきから時計ばかり気にしてどうした?」
「・・あ・・・別になんでもないの。ごめんね・・」
「・・なんでもない・・のか?」
「・・・え・・?」
「あのさ・・俺・・・「安達!ちょっとコレ請求書作ってくれるか?」
田中君の言葉を遮るように向かいの啓介があたしに話しかける。
「・・あ・・はい。わかりました」
・・・絶対わざとだ・・・
田中君は何も言わずにまた自分の仕事に戻った。
あたしも、請求書の画面を開き一呼吸して仕事に専念した。