ヒトノモノ



ふと、時計を見ると、朝礼の時間をとっくに過ぎていた。




「やば・・」




「・・今日は仕事終わったらすぐに帰るから・・・」




啓介はあたしを抱きしめて、軽くキスをした。




「ちょっと・・・ここ会社・・・」




「いいの。ココ外から見えないから。それに・・・」




「それに?」




「・・あぁ・・いいや。それじゃぁ、仕事に戻ろう」





啓介は何かを言いたそうだった・・・。






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「お疲れ!!」




「お先に失礼します!!」



定時を過ぎ、みんなが続々と帰っていく。





あたしは、明日の会議の資料をファイリングしていた。





「安達?まだ帰らないの??」




田中君があたしのデスクを横から覗き込んで言う。




「うん・・・もう少し・・」




「あのさ・・今日この後、暇??」