「歩、何か俺に言いたいことあるんじゃないの?」

「何が?」

「何か今日、ずっと何か言いかけてない?」

「何もないよ」

「嘘だ」

「何もないって!!」


しまった。

思わず声を張り上げてしまった。


秀くんがまっすぐ私を見てる。


「あ……」

また可愛くない!私…。

最悪だ!



「ごめんな」


だから、何で秀くんが謝るの?

私が勝手に…。


「ほんとごめん」

「そーいうとこ!!」

「は?」

「秀くんいつもそうじゃん!

いつも謝っちゃうし、私が何言っても優しいだけで怒らないし!

私は、何でも言って欲しいのに。ケンカしたってかまわないのに」