しかし、その意志の強そうな黒目勝ちの目に冷静な表情、という組み合わせは、あまりにも年不相応だった。


「お昼のパーティーでございます。そのままでは、相応とは言えないかと。せめて、髪を少々上げてみるなどして、明るく……」

「髪はいじりたくないのよ」


きっぱりと、通る声ではっきりとそう言った。

青年は、おやおや、というように肩をすくめた。


「……そうね。白いタイツと、パニエを履いて少しスカートにボリュームを持たせたら、少しはマシになるかしら」


パニエは、スカートを膨らませるために下に着用するチュールなどで出来たスカートである。

青年は頷いて、クローゼットからそれを取り出し、恵理夜に手渡した。