「スミレ、の花ですか」


紙ナプキンで折られた花を手に、春樹が問いかけた。


「よくわかったわね」

「……この花を、私の願いとしましょう」


恵理夜の瞳が見開かれる。


「貴方の願い?」

「はい、私の望むものです」


と、春樹は薄く微笑んだ。


「スミレが、貴方の望み?」

「……今日の謎賭けといたしましょうか」


と、恵理夜に挑むような不敵な表情を見せる。


「どうも解くべき謎がないと、あなたの表情は暗いままですからね」