――その時、音楽が変わった。


会場にも人が増え始め大広間のホールではダンスが始まったのだ。

様々な仮面をつけた人たちが、ワルツのステップを踏み始める。


「春樹、向こうでダンスを、」

「お飲み物を、頂いてきましょう」


恵理夜の言葉を待たずに、春樹はホールとは逆の方向へと歩き去っていた。