「ブルータス…」 あぁ、そうだ。 どうして気付かなかったんだろう。 “ブルータス”もまた、ユダと同じ “裏切りもの”の代名詞じゃない… 「―――…まだ、その名前で呼んでくれるんだね。アオチュリーナ…」 「あたしにとって、あなたは…“ブルータス”でしかないもの。」 ――― 涙が出た。 正体を知ってもなお この目に映せば、愛しさで身体を支配されることに。 騙されたと知ってもなお それでもいいと思ってしまえる自分の弱さに。