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―――ギィイ―――
扉を開けると、しんとした静謐な時間がそこにあった。
500年という長い年月、人々の信仰を受け止めてきた重厚な圧力がのしかかってくる。
月光に照らされ
闇の中に、静かに浮かび上がったのは
「―…最後の、晩餐…。」
このミラノが誇る至宝。
十字架につけられる前のキリストと弟子達の「過ぎ越しの食事」を描いた、世界に名高い、レオナルド・ダ・ヴィンチの傑作だ。
「――…すごい…」
キリストを中心として、12人の弟子達がずらり食卓に着いている。
その表情はさまざまで、人物は今にも動き出しそう――…
力強さに、圧倒される。
ニャンニャンによれば
怪盗の予告状は
ここ、ミラノの
サンタ・マリア・デッリ・グラッツェ教会にある世界遺産―…“最後の晩餐”を示しているという事だった。



