「―…また派手に恋に落ちたもんね。」
「ミュウミュウ?」
「珍しく、どっぷりハマってるなぁって思って。気持ちは分かるけど…」
「―…連絡が、ないの」
「え!?会うつもりなの!?」
「―…ん…」
「あたしは反対よ。正体が分かった今、こっちからノコノコ出て行くなんて。踏むだけじゃ死なないのよ!?」
「――…ファイヤー装備しないとね…って、くだらないこと言わないでよ!!いま、真剣なシーンなのに!!」
「………(珍しく拾ってくれてありがとう)―――――…彼の、連絡先は?」
「知らない――…」
――――――…悔しい。
いつも、待ち合わせは行き着けのお店で、時間も適当で。
あたしも正体を知られる訳に行かなかったから、アパートの場所も教えていなくて。
毎回、次の約束をしなかったら、会える保証のない二人だったのだ。
あたしはブルータスに会いたくても、どこに住んでいるかも、普段何をしているかも――…連絡先すら、知らない。
「知らないって…あんた、何やってんのよ」
「大人の付き合いをしたかったのよ…」
「大人が聞いて呆れるわ…その状態で…?バカねぇ、もう……」
本当に、バカだ――…
あたしの、この気持ちは
どこに持って行けば、いいの?
無言のまま、あたしの心を奪って
夜の闇に消えていった、あなたは
いま、どこで、何をしてるの?
ブルータス…あなたに、会いたい――…



