BLUE








2011/03/13 in the private room
















―――…ない。





彼から、連絡が、ない。








「アオチュリーナ?」

「ミュウミュウ…」



何もする気が起きなくて、ベッドに突っ伏したままのあたしの部屋に、レモンチェッロ片手にミュウミュウがやってきたのは、日曜のお昼だった。



「なに、しおれてんのよ!怪盗の犯行予告は、明日なんでしょ?」

「ん……」





あたし、変だ…。

いつもだったら、予告状の謎が解けたら

すぐに戦闘態勢に入って準備万端整えて…ワクワクしながら、待ち受けているのに…

(そして毎回見事にお宝は奪われるのだが)




今は、何もする気が起きないなんて…。



「オトコに振られたくらいで、落ち込んでんじゃないわよ。ここをドコだと思ってんの!?イタリアよ?ラテンよ?百花繚乱、恋せよ乙女じゃないの!!」


「だれが、振られたのよ?!」


「へっ…?あの色男に、振られたんじゃないの?」


「違うわよ…まだ…」


「“まだ”って…アオチュリーナ…相手は、敵だよ?どう考えても、騙されてんのよ!?あんた…」






――…ミュウミュウだけには、話した。





彼女はライバルだけど―…一番近くにいる、親友でもあるから。


ひとりで抱え込むには、あまりに辛かったから。