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夜が―――…更けてゆく。
「こうして会うのはもう何回目かしらね、ブルータス。」
「アオチュリーナ?さっきから、どうしたんだい?今日は昔話が好きなんだな…。」
「大概の女の子は、おとぎ話と昔話が好きなのよ。」
「ぼくにとっては、今キミとこうしている時間が全てだよ。」
「あたしは…アナタの全てが知りたいのよ。」
「――…それは、誘ってるの?」
「あ……」
ゆらり、青い瞳が誘うように揺れた。
その甘いさざ波は、
やがてあたしの心の中まで浸食してゆく。
―――…流される…
「もう、はぐらかさないで!」
胸が、痛い。
正体を知ってしまった今
彼があたしに近づいた目的は、もう分かってる。
こちら側の情報収集と、撹乱作戦。
怪盗レッカの常套手段だ。
だけど
こんなにあたし好みのオトコを送り込むなんて。
――…流されたくも、なるじゃない。



